2015年12月5日土曜日

ドルアーガの塔の中のいろいろな時間〜後編

前回までのあらすじ


ドルアーガの塔の時間の流れに疑問を抱いたオレ達は、過去に同じ志で謎に挑んだ冒険者の手記を探し出し、謎の解明のためのヒントを探した。しかしその手記も途中で途切れていて、謎の全貌をあばくことは叶わなかった。そしてオレ達は、自らその謎に身を晒す決意をし、不可解な時間の流れの中を彷徨うことになったのだった...。


ドルアーガの塔の現象時間リスト(再訪)


というわけで、昨日調査した、ドルアーガの中のいろいろな現象ごとの時間データを再掲します。なお、引き続き、他の勇気ある解析者によるデータの訂正情報をお待ちしております (@quicyまで)。

ドルアーガの塔の現象時間リスト


移動スピード関係


これはデータを見るまでもないことですが、いろいろなものの単純な移動速度の比較は、以下の通りです。

  • 高速ギル (ジェットブーツ) = 1
  • 低速ギル = 0.5
  • ナイト、ローパー = 0.5
  • ミラーナイト、ゴースト、ドルアーガ = 1
  • 低速ウィスプ = 0.5
  • 高速ウィスプ = 2
  • 呪文 = 4
  • ドラゴン?調べてなかった。うーん。低速ギルより遅い0.3とか0.4くらい?

呪文の速度


呪文は、ギルが1ブロック歩く間に4ブロック移動します。ギルが柱の間に半ブロック身をかわす間にさえ2ブロックも進んでくるので、見てからかわすのはとても難しいですね。逃げてもあっという間に追いつかれるので、マジシャンが実体化して呪文を撃つ前に身を隠すか、しっかり正面から盾で呪文を受けるのが、安全な基本戦略です。

ウィスプの速度


ウィスプもめっちゃ速く感じますが、こいつはせいぜいギルの2倍の速度です。ウィスプに向かって正面から近づくとかなり早く搗ち合ってしまいますが、同一方向に移動して逃げる場合にはそれほど早くは追いつかれないので、心を落ち着かせてウィスプが伝っている方の壁を壊せば、逃げ切りやすいです。
ポイントは、乱心して壁を開けまくってかえって正面から搗ち合う危険性を広げるよりも、うしろから追いつかれそうなときにウィスプを流す壁開けを心がける方が無難です。




マジシャンタイミング関係


マジシャンが出ない時間


これについて前回も多少触れましたが、マジシャンは一度出現した後は、一定の出現間隔の間は出現しないようになっています。この間隔は、最小で約3秒、最大で約5秒、平均では約4秒くらいです。出現の度に、3〜5秒のどの時間になるかはランダムなので、確実に出現するタイミングを予測することはできませんが、少なくとも3秒は絶対に出現しません。
もちろんこれはマジシャン一人一人の出現間隔なので、マジシャンが4人居た場合は4人それぞれがバラバラにこの間隔で出現するので、一見すると消えてすぐ出現しているようにも見えます。しかし、タイミングがある程度揃って出現した場合は、次の約3秒程度は絶対安全時間になると言えます。ブロック数換算すると、少なくとも7ブロックは安全に歩けるのですから、大きいですよね。
逆に、5秒待てば、次のマジシャンの出現は一斉に揃っていることが保証されます。これがいわゆる、初心者が最初にマスターするべき剣振りプレイの原理ですね。

じゃあ結局、マジシャンっていうのは常に出現を揃えないと危なくてギルはおちおちダンジョン歩きもできないのか?っていうと、そんなことはありませんよね。上手いプレイヤーが、マジシャンを放し飼いにして歩き回っているのを、皆さんはご存知のことと思います。また、達人の領域になると、一見バラバラに出ているマジシャンの間を読んで、壁開けをしたり戦闘をしたりしていますよね。これは、上記のような数値を感覚的にものにしていて、間の濃淡を感じて動いているのです。ブルース・リー曰く、「Don't Think. Feel!」の境地ですね。これは、修行の結果行き着く境地なのであって、ただ真似をすれば上手くいくというわけではありません。修行あるのみ!ですね。修行無しに形だけ真似ると、インチキ動画のようなハメになってしまいますので、ご注意を。

マジシャンの呪文を食らわない時間


マジシャンが出現してから呪文を撃つまでの時間(24+8=32)は、ギルが1ブロック歩く時間よりもちょっと長いです。また、マジシャンがギルの周囲1ブロックの間には出現しません。このことを合わせると、ギルが1ブロックとほんのちょっと歩く間は、真正面からだとしても、絶対に呪文は食らわないと確信できます。これは経験的に明らかだとは思います。
これをちょっと応用して考えると、曲がり角を呪文回避と進行の両方に活かしたり、ラスト1ブロックの扉に壁を破りながら飛び込んだりと、安全に時間を有効に使うことができます。
まっすぐな道を歩いていると、前と後ろからマジシャンに挟まれて回避しきれない呪文を浴びたり、目の前にマジシャンが現れて足止めを食らったりする可能性が高いですが、曲がり角が多い道を選ぶ方が、安全で早かったりするのです。



※遠くから撃たれる呪文について安全な訳ではありません。
※4方向レバーなので曲がり角でレバーが引っかかると呪文を食らう危険性あります。
※スライムの呪文はマジシャンと無関係にスッ飛んでくるので危険です。

剣をしまう方が早い


前回もちらっと書きましたが、マジシャンが出現して呪文を撃つまでの時間(24+8=32)よりも、ギルが剣を出している状態から剣をしまう時間(16)の方が早いです。
このことは、マジシャンの殺し方に応用できます。通常、マジシャンを安全に倒す方法としては以下の二つがあります。

  • 5秒待ってマジシャンの出現を全部揃えることで時差攻撃が生じないようにする
  • マジシャンの目の前まで進んで停止し、時差攻撃が無いことを確認してから抜刀する
    (つっこみ重視のマジシャン殺し)

今回のルールを適用すると、もう一つの方法が使えます。

  • マジシャン出現後、時差攻撃が無いことを確認してから抜刀し、1ブロック進んでマジシャンを刺すと同時に納刀することで、この移動によって次のマジシャンが出現してもその呪文を受けられるようにする
    (立ち上がり重視のマジシャン殺し)

つっこみ重視のマジシャン殺しと、立ち上がり重視のマジシャン殺しは、どちらが優れているということはなく、どちらを選ぶのが適切かは、その状況次第です。

ファイヤーエレメントの迂回


ファイヤーエレメントは前半面で時間を浪費する大きな要因になりますが、ファイヤーエレメントを消すには非常に繊細な操作を要するし、しかもそれが不慣れなレバーだったりすると、ミスする可能性もあります。特に、ギルが右向きの時や上向きの時は、ファイヤーエレメントを消し辛いので、とっても怖くて、ファイヤーエレメントを消すのをためらうこともありますよね。
しかし、単純にためらって待っていると、スコアのロスに繋がってしまいます。

ファイヤーエレメントの燃焼時間は、最小で128フレーム、最大で255フレームです。これをスコア換算すると、最大で1,300点近くスコアをロスしてしまうことがありますし、しかもその後またすぐにファイヤーエレメントを作られてしまうかもしれないので、そんな時は非常にショックです。

こんな時は、迂回路についても検討してみると良いでしょう。
ファイヤーエレメントの燃焼時間をブロック数換算すると、最小で約5ブロック、最大で約10ブロックです。これだけのブロック数なら、多少迂回して歩いても損しないどころか、上手くいけば得をするかもしれませんよね。

もし、ファイヤーエレメントを消す自信がなくて、しかもマトック使用数にゆとりがある時は、近くの壁を壊して迂回できないか、チラッと考えてみると良いでしょう。


スライムタイミング関係


スライムが呪文を打たない時間


初級者は、スライムの動きより呪文が脅威だと思います。スライムの呪文は、いつ・どの方向に撃つか分からない、というのが物凄く恐ろしいようです。
でも実際は、スライムがいつ呪文を撃つのかはある程度予測できますし、スライムがどの方向に呪文を撃つのかもある程度予測できることは、この記事をお読みの多くの方はご存知のことでしょう。ですが一応、再確認しておきましょう。

スライムは、約4秒強周期で、全員一斉に呪文を射出しています。マジシャンと違って、スライム毎にバラバラなタイミングで呪文を撃ったりはしないのです。つまり、どれかのスライムが呪文を撃ったことが、目視にしろ音にしろ確認できたら、他のスライムも含めてどのスライムも、次の4秒間は絶対に呪文を撃たない=安全であることが保証されます。つまりこの4秒間は、スライムに向かって真正面から剣で刺しに行ってもへっちゃらなわけです。

また、スライムが呪文を撃つ方向は、スライムの正面方向だけです。正面というのは、スライムが直前に動いた方向のことです。顔は見えないけど、顔があるわけですね。なので、スライムが動いた方向を目視で確認できた場合は、その方向以外には呪文を撃たないので、その方向以外の通路を横切っても全然平気だと言えます。
また、スライムが動いた方向を目視できなかった場合でも、状況から、スライムが呪文を撃たない方向は推定できます。「スライムが今そこに居るということは、こっちを向いていることは絶対にない」と思える状況なら、つまりその方向は安全だということです。


タイミングと方向の二つを組み合わせて考えると、相当程度安全な時間/空間を見ることが出来るようになり、スライムが居ても平然と進行できる比率が高くなるのです。

ただし、フロア開始直後は、このどちらも確定できません。タイミングという意味では、直前に呪文を撃ったタイミングが存在しないので推定できませんし、フロア開始時はスライムの向きはランダムに設定されているので、状況から直前の移動方向を推定するということができないのです。

フロア開始直後の4秒強の間は、スライムはいつ・どの方向にでも呪文を撃つので非常に危険だ、と覚えておいて下さい。

スライムが動かない時間、動くタイミング


ベテランは、スライムが射出する呪文よりもむしろ、スライムを刺しに行ったときに急に動いて体当たりで殺される、いわゆる刺し返しの方を脅威に思っていると思います。スライムが動くタイミングを読む方が、呪文を撃つタイミングを読むよりもずっと難しく、コノヤローと思うことが多いんですよね。
さて、表に、スライムの最小停止時間、最大停止時間、停止離散時間を書きました。それぞれ、以下のように解釈します。

最小停止時間:
  • スライムが止まってから次に移動するまでの停止時間のうちの最小ケース
  • スライムは、少なくとものこの時間は絶対に動かないことが保証される
  • 例えば、グリーンスライムは、0なので、止まらずに動くことがある
  • その他のスライムは、少なくとも約0.5秒の停止は保証されている

最大停止時間:
  • スライムが止まってから次に移動するまでの停止時間のうちの最大ケース
  • スライムは、この時間が経過したら絶対に動き始めることが保証される
  • 例えば、グリーンスライムは約4秒なので、待つと最大1200点をロスする
  • 例えば、ダーググリーンスライムは、常に0.5秒の停止で動き続ける

停止離散時間:
  • スライムが停止している時間は連続ではなく離散的である
  • スライムが移動するタイミングは、この離散時間の定数倍の時間である
  • 例えば、グリーンスライムは必ず、0秒、1秒、2秒、3秒、4秒のどれかのタイミングで動く
  • その他のスライムは、0.5秒刻みの時間で動く可能性がある

スライムをいつ刺しに行くべきか、待つべきか、というのは非常に悩ましい問題です。特に、1階のグリーンスライムは怖いですが、下手に待っていると、一回で1200点くらい損する可能性がありますし、しかも待ったからといって確実に殺せる場所に来てくれるわけでもありません。なので、できれば単純に待つのではなく刺しに行きたいのですが、そのタイミングを一応、上記を目安に考えることが出来ます。

グリーンスライムに関していえば、停止離散時間が1秒なので、1秒刻みで突進チャンスがあることになります。とはいえ、1階ではギルの足がめちゃくちゃ遅いので、刺しに行くのにも1秒くらいかかりそうです。停止時間0秒にやられる危険性を避けるために最初の0.5秒は様子見で時間経過しているとすると、スライム停止後最初の1秒間を狙って刺しに行くのはリスクが高いはずなので、刺しに行くとしたら、スライム停止後1秒〜2秒の間が安全じゃないかと思います。2秒〜3秒、3秒〜4秒を狙ってもいいですが、腹時計の精度が落ちますしね。

グリーンスライム以外のスライムは0.5秒毎に動きますが、最小停止時間も0.5秒が保証されているので、停止直後の0.5秒間を無条件で刺しに行けます。ジェットブーツがあるはずだから、そんなに難しくないですよね。ただ、停止後ある程度時間が経過しているスライムを刺しに行くのは、腹時計精度がズレてると思うので結構危険です。

ただし、以下にご注意ください。

  • スライムが動かない時間だからといって、スライムが呪文を出さないとは限らない、いやむしろ出すので、正面から刺すのは注意
  • あくまで私の腹時計と限られた回数の測定結果なので、全くの嘘っぱちの可能性もある


ゴーストタイミング関連


ゴーストについてはあまり書くことが無くて、以下のようなことくらいでしょうか。


  • ゴーストはギルと同じ速さで移動する
  • ただし表にあるように、ゴーストがワープを完了するのに要する時間は、ギルが1ブロック歩くより長いので、ゴーストが沢山壁抜けするルートを通せば、ゴーストから逃げやすい


最後に


ドルアーガの塔のなかのいろいろな時間について書いてきましたが、実際にプレイしている時はこんなことを、いちいち数値で考えているわけではないです。勘で、空気で、ノリでやっています。でも、勘でやっているプレイを、たまにはこのように分析してみるのも面白いです。

皆さんに、少しでもドルアーガの塔の奥深い面白さや、プレイに関するなんらかのヒントをお届けできれば良いと思って、記事を書いてみました。

また何か書いてみますので、宜しくお願いします。

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